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がん免疫関連解析

2017/04/21 掲載

免疫染色 染色標本の解析 FISH 参考文献

 

 がん細胞は、免疫細胞からの攻撃を避けるため、免疫反応を抑制する免疫チェックポイントを利用することが知られています(1)。免疫細胞の表面に発現し、免疫チェックポイントに関わるPD-1タンパク質に、がん細胞表面に発現しているPD-L1タンパク質が結合することで、免疫反応が抑制される経路が知られています。また、細胞障害性T細胞の膜表面に発現するCTLA-4が樹状細胞の表面に発現するB7と結合することで、免疫反応が抑制されることも知られています。この免疫チェックポイントを阻害することで、免疫反応の抑制が阻害され、がん細胞に対する免疫細胞への攻撃が起こり、がんに対する薬剤の効果が表れます。

 現在、世界的に多くのがん種に対して免疫チェックポイントをターゲットとした様々な薬剤の開発が進んでいます。米国では、CTLA-4をターゲットとしたIpilimumab(イピリムマブ)、PD-1をターゲットとしたNivolumab(ニボルマブ)、Pembrolizumab(ぺンブロリズマブ)、PD-L1をターゲットとしたAterolizumab(アテロリズマブ)、Durvalumab(デュルバルマブ)がFDAの承認を受けています。日本においても、Ipilimumab 、Nivolumab、Pembrolizumabがすでに承認されています。また、米国および日本において、PD-L1タンパク質を免疫染色(IHC)で染色する診断薬が承認されており、Nivolumabの診断薬としてPD-L1 IHC 28-8 PharmDx、Pembrolizumabのコンパニオン診断薬としてPD-L1 IHC 22C3 PharmDxが承認されています。

 診断薬ではPD-L1の発現が効果予測バイオマーカーとして用いられていますが、その他にも多くのバイオマーカーが候補として挙げられており(2)、より良いバイオマーカーが求められています。がん組織へのリンパ球の浸潤(腫瘍組織浸潤リンパ球、TIL)(3)、マイクロサテライト不安定性(4)、ミスマッチ修復(MMR)タンパク質(5)、mutation burden(6)、Neoantigen(7)、PD-L1遺伝子の増幅等(8、9)が候補として挙げられています。当社では組織を用いた一連の解析サービスをとりそろえており、免疫染色によるPD-1、PD-L1、リンパ球マーカー、MMRタンパク質の染色サービス、免疫染色画像を用いた画像解析サービス、PD-L1遺伝子のFISH法による遺伝子増幅の解析サービスを実施しております。

 

■免疫染色

 精度管理された自動免疫染色装置を用いて染色しますので、再現性の高い染色が可能です。

  • PD-L1の染色
    PD-L1 IHC 28-8 PharmDx、PD-L1 IHC 22C3 PharmDxを用いた染色の他、SP142クローンを用いたPD-L1の染色が可能です。
  • リンパ球マーカーの染色
    PD-1、CD3、CD4、CD8、CD20、Foxp3等、各種リンパ球マーカーの染色が可能です。
    その他のマーカーについては、下記のページをご覧ください。
    http://www.gene-lab.com/knowledge/immune/d.html
  • MMRタンパク質の染色
    MMRに関わるMSH2、MSH6、PMS2、MLH1タンパク質の染色が可能です。IHCによるMMRタンパク質の解析は、キャピラリーシーケンサーを使用したMSI検査と同等であることが報告されています(10、11)。

 

■染色標本の解析

  • PD-L1の染色評価
    常勤の病理医による染色の評価が可能です。また、画像解析ソフトを用いた評価も可能です。画像解析ソフトを使用した解析は、解析条件の記録、解析領域、染色強度に関する記録が残る点が利点として挙げられます。

【画像解析の流れ(画像クリックで拡大)】
画像解析の流れ

  • TIL解析
    画像解析ソフトを用いた解析が可能です。手術検体等大きな切片では、切片上の広い範囲での目視によるリンパ球マーカー陽性の細胞数の測定は困難ですが、画像解析ソフトを用いた解析では切片上の広い範囲での測定が可能です。

【TIL解析の流れ(画像クリックで拡大)】
TIL解析の流れ

  • MMR解析
    常勤の病理医による染色の評価が可能です。

 

■FISH

  • PD-L1の遺伝子増幅解析
    市販のプローブを使用し、FISHによる遺伝子増幅の解析が可能です。上記のサービスの他、市販のELISAキットを用いた血液中のPD-L1タンパク質の測定等にも対応いたします。また、市販のPD-L2に対するプローブを用いたFISH、抗PD-L2抗体を用いた免疫染色も対応可能です。肺がんではALK、EGFRに変異がある場合は、免疫チェックポイント阻害剤の効果が低いことが報告されています(12、13)。当社では、次世代シーケンサーを用いて、EGFR、ALKの変異を網羅的に調べることも可能です。

 

■参考文献

1. Clinical Development of Immune Checkpoint Inhibitors. Ito A, et al. Biomed Res Int. 2015;2015:605478. doi: 10.1155/2015/605478. Epub 2015 Jun 16.
2. Biomarkers associated with checkpoint inhibitors. Manson G, et al. Ann Oncol. 2016 Jul;27(7):1199-206. doi: 10.1093/annonc/mdw181. Epub 2016 Apr 27.
3. PD-1 blockade induces responses by inhibiting adaptive immune resistance. Tumeh PC, et al. Nature. 2014 Nov 27;515(7528):568-71. doi: 10.1038/nature13954.
4. PD-1 Blockade in Tumors with Mismatch-Repair Deficiency. Le DT, et al. N Engl J Med. 2015 Jun 25;372(26):2509-20. doi: 10.1056/NEJMoa1500596. Epub 2015 May 30.
5. Mismatch repair deficiency associated with complete remission to combination programmed cell death ligand immune therapy in a patient with sporadic urothelial carcinoma: immunotheranostic considerations. Castro MP, et al. J Immunother Cancer. 2015 Dec 15;3:58. doi: 10.1186/s40425-015-0104-y. eCollection 2015.
6. Mutational landscape determines sensitivity to PD-1 blockade in non-small cell lung cancer. Rizvi NA, et al. Science. 2015 Apr 3;348(6230):124-8. doi: 10.1126/science.aaa1348. Epub 2015 Mar 12.
7. Clonal neoantigens elicit T cell immunoreactivity and sensitivity to immune checkpoint blockade. McGranahan N, et al. Science. 2016 Mar 25;351(6280):1463-9. doi: 10.1126/science.aaf1490. Epub 2016 Mar 3.
8. PD-1 blockade with nivolumab in relapsed or refractory Hodgkin's lymphoma. Ansell SM, et al. N Engl J Med. 2015 Jan 22;372(4):311-9. doi: 10.1056/NEJMoa1411087. Epub 2014 Dec 6.
9. Clinical significance of PD-L1 and PD-L2 copy number gains in non-small-cell lung cancer. Inoue Y, et al. Oncotarget. 2016 May 31;7(22):32113-28. doi: 10.18632/oncotarget.8528.
10. Immunohistochemistry versus microsatellite instability testing in phenotyping colorectal tumors. Lindor NM, et al. J Clin Oncol. 2002 Feb 15;20(4):1043-8.
11. Immunohistochemistry versus microsatellite instability testing for screening colorectal cancer patients at risk for hereditary nonpolyposis colorectal cancer syndrome. Part I. The utility of immunohistochemistry. Shia J. J Mol Diagn. 2008 Jul;10(4):293-300. doi: 10.2353/jmoldx.2008.080031. Epub 2008 Jun 13.
12. Nivolumab versus Docetaxel in Advanced Nonsquamous Non-Small-Cell Lung Cancer. Borghaei H, et al. N Engl J Med. 2015 Oct 22;373(17):1627-39. doi: 10.1056/NEJMoa1507643. Epub 2015 Sep 27.
13. EGFR Mutations and ALK Rearrangements Are Associated with Low Response Rates to PD-1 Pathway Blockade in Non-Small Cell Lung Cancer: A Retrospective Analysis. Gainor JF, et al. Clin Cancer Res. 2016 Sep 15;22(18):4585-93. doi: 10.1158/1078-0432.CCR-15-3101. Epub 2016 May 25.

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