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AQUA解析

AQUA解析について(基本概念・解析方法)

AQUA解析とは、細胞・組織上のタンパク質発現量をAQUAスコアで数値化する方法です。

基本的には、ターゲットタンパク質、組織の特定領域をマスクするためのタンパク質、細胞核DNAに対する抗体や蛍光色素を用いて、同一スライド標本上に染色し、蛍光顕微鏡で画像を取得します。がん研究領域では多くの文献で、マスキングタンパク質にパンサイトケラチン(panCK)が使用されています。

 

AQUAテクノロジーとは?

近年、ヘマトキシリン・エオシン(HE)染色による形態評価に加え、組織や病態特異的なタンパク質分子に対する免疫組織化学染色法(IHC)による総合的評価を求められる機会が多くなっています。IHCは、組織固定液、抗原賦活法、抗体、検出系のバリエーションの増加により、凍結組織のみならず、FFPE組織に対しても十分解析に耐えうる技術となりました。また、適切な蛍光色素と顕微鏡を用いれば、複数のターゲットを同一切片上に可視化できます。近年開発されたAutomated QUantification Analysis (AQUA) テクノロジーとは、客観的かつ定量的なデジタルデータに基づくタンパク質/抗原の評価技術です。AQUAスコアは、独自解析アルゴリズムにより得られる蛍光免疫染色法によるターゲットタンパク質/抗原のシグナル値であり、細胞内コンパートメント(核・細胞質)ごとにAQUAスコアを得られ、定量的なターゲット抗原の評価が可能です。

本解析法を導入することにより、これまで難しいとされてきた発色法によるIHC評価に対して、より正確な評価が可能となります。さらに、IHCの数値データと臨床データを統計学的に解析することにより、バイオマーカーとしてのカットオフ値を従来に比較して高精度に設定することが可能になり、臨床研究・試験や診断に応用することが可能です。また、抗体の特異性の評価やIHCの最適化条件(抗体濃度、抗原賦活化法など)決定のためのツールとしても活用することができます。

 

・AQUA解析のための蛍光多重染色ステップを示します。

1. 蛍光多重染色に最適化された抗体(target+panCK)を反応させます。概要 染色フロー.png

2. panCKには蛍光標識二次抗体、ターゲットにはHRP標識二次抗体を反応させます。

3. HRP標識二次抗体に対し、蛍光標識チラミドを反応させます。

4. 核を対比染色します。

5. 封入剤にて標本を完成させます。

 

 

 

 

 ・AQUAスコアリングの概念・方法を示します。

スコア算出アルゴリズムは2種類あり、クラスタリングAQUA解析(cAQUA)、トラディショナルAQUA解析(tAQUA)があります。両解析方法の基本は、閾値に基づいてマスク領域 (Cy3波長域蛍光標識; tumor mask)を抽出し、そのマスク領域上のターゲットタンパク質(Cy5蛍光)の蛍光シグナル値をAQUAスコアとして算出します。さらに、マスク領域を核または細胞質成分に分画し、各領域のAQUAスコアを求めることも可能です。

 <各アルゴリズムの特徴>

 1. cAQUAでは、組織によってはtumor maskが抽出されない、またはmaskエリア抽出後のクラスタリング解析で細胞質・核成分の抽出ができない撮影スポットが発生する可能性があります。その場合、スコアが算出されないか、tumor mask AQUAスコアのみが算出されます。
2. tAQUAでは、tumor mask閾値設定や、その後細胞質・核成分の抽出条件を任意で設定できるため、cAQUAでスコアの得られなかったスポットが解析できる場合があります。

<各アルゴリズムで得られるスコアの詳細>
cAQUA: 本アルゴリズムは、バイアスのないAQUAスコアを、簡便・短時間で求めることができます。

概要 cAQUA.png
1. Tumor mask;
Cy3 imageを自動閾値で解析し、Cy3陽性領域が抽出されます。本maskは、Cy3とCy3領域に含まれるDAPI領域の合領域となります。
2. Cytoplasm, Nuclei;
Tumor mask上に存在するピクセルごとにdapi, CKのシグナル輝度を基準に自動クラスタリング解析後、nuclei, cytoplasm区画に分画されます。
3. Tumor mask, cytoplasm, nucleiに存在するtargetシグナルの蛍光シグナル値がAQUAスコアとして自動算出されます。


tAQUA: 本アルゴリズムは、従来からのAQUAスコア算出法であり、応用的な使い方や、マニュアルで閾値、領域を指定してのスコアリングも可能となります。

概要 tAQUA.png
1. Tumor mask;
Cy3 imageをユーザーで閾値を決めて解析し、Cy3陽性領域が抽出されます。
2. Pre-cytoplasm, pre-nuclei;
Tumor mask上に存在するピクセルのdapi, Cy3のシグナル輝度から閾値を設定し、Cy3, dapi領域が抽出されます。
3. Pre-cytoplasm, pre-nucleiを互いに差分し、コンパートメントを求めます。
4. Tumor mask, Pre-cytoplasm, pre-nuclei, cytoplasmic compartment, nucleiに存在するtargetシグナルの蛍光シグナル値がAQUAスコアとして自動算出されます。

 

詳細については、以下の論文をご参照ください。

Appl Immunohistochem Mol Morphol 2009, Development of an Unsupervised Pixel-based

Clustering Algorithm for Compartmentalization of Immunohistochemical Expression Using Automated QUantitative Analysis.


 

 
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