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2018年の国内大手企業の注目のイベント―2―

2018/02/22 掲載

 今回は、第一三共、エーザイ、中外製薬についてパイプラインを中心に2018年に予想されるイベントをまとめた。

【第一三共】
 過去に2,800億円を稼いできた高血圧症治療薬の「オルメテック」(オルメサルタン メドキソミル)の特許期間は、米国で2016年10月に、日本と欧州においても2017年2月に満了となった。第一三共はオルメサルタンの2018年3月期通期の売上予想を1340億円(前年同期比38.5%減)とした結果全社売上収益は9,300億円(前年同期比2.6%減)の計画である。また、制吐剤配合麻薬性鎮痛薬のCL-108が承認されず、2017年8月にその権利を米Charleston Laboratories社に返還することを決定したため減損損失278億円を計上した。営業利益は期初予想を250億円下回る750億円(前年同期比15.7%減)に下方修正した。

 オルメサルタンの売上高の減少を補う筆頭が自社創製品の「リクシアナ」(トシル酸エドキサバン水和物)である。2017年3月期から2021年3月期の期間に設定された第4期中期経営計画では、最終年度のリクシアナの売上げを1,200億円以上とし、中間点である2018年3月期の売上高は690億円を掲げた。しかし、直近である2018年3月期の第2四半期までの売上げは329億円で、通期は650億円(前年同期比74.1%増)に留まる予想である。最大の市場である米国での売上げが低迷していることが主な要因だ。

 自社創製したα2δリガンドであるミロガバリンは、日本とアジアにおける帯状疱疹後神経疼痛のフェーズIIIが2017年6月に、糖尿病性末梢神経障害性疼痛のフェーズIIIは8月に、それぞれ主要評価項目の達成が報告されたことから2018年中に申請されると見られる。一方、欧米で行った線維筋痛症のフェーズIIIにおいては2017年6月に有意差を示すことができなかったことを明らかにしている。線維筋痛症の適応については、今のところ開発中止の判断といった方針は示していない。ただし、第一三共は抗がん剤開発に資源を集中することを市場に発信していることから、自社開発品のミロガバリンであっても海外開発を断念する可能性は高いとみられる。

【エーザイ】
 グローバル製品の「アリセプト」(塩酸ドネペジル)と「パリエット」(ラベプラゾール ナトリウム)の特許期間が満了して2014年3月期から減収が続き、苦しんできたエーザイであったが、業績は回復に向かっている。2018年3月期は新製品群の成長が減収額を上回り、売上収益は5,755億円(前年同期比6.8%増)、営業利益は600億円(同1.6%増)の増収増益となる計画だ。

 自社創製であるキナーゼ阻害薬の「レンビマ」(メシル酸レンバチニブ)については、計画通り2017年6月に日本で、同年7月に米国と欧州で、また同年10月に中国において肝細胞がんの追加適応症の申請をした。フェーズIIIである304試験において標準薬のトシル酸ソラフェニブに対する全生存期間(OS)の非劣性が示された。肝細胞がんに対する治療選択肢は限定されていることから承認されると見ている。ちなみに、米食品医薬品局(FDA)の処方箋薬ユーザーフィー法(PDUFA)に基づく審査終了目標日は2018年5月24日に設定されている。

【中外製薬】
 2017年12月期第3四半期決算の売上収益は3,876億4,500万円(前年同期比7.2%増)だった。通期の見込みは5,205億円(前年同期比5.8%増)であり、進捗率は74.5%と順調な推移となっている。このままの状況が継続すれば国内では6番目の5,000億円企業の誕生となる。

 自社創製した「Hemlibra」(エミシズマブ、ACE910)については、FDAが2017年11月、「血液凝固第VIII因子に対するインヒビターを保有する成人および小児の血友病Aの予防投与療法」を承認した。2015年9月にBreakthrough Therapy(画期的治療薬)に指定され、優先審査対象品目として審査された。日欧では2018年中の承認が見込まれる。欧州では2017年6月に申請され、Accelerated Assessment(迅速審査)の指定を受けている。日本においては2016年8月に「インヒビターを保有する先天性血液凝固第VIII因子欠乏患者における出血傾向の抑制」を対象に厚生労働省から希少疾病用医薬品に指定されて、2017年7月に申請を行った。エミシズマブは、活性型第IX因子と第X因子に結合し、活性型第IX因子による第X因子の活性化反応を促進する。血友病Aで欠損または機能異常となっている第VIII因子の補因子機能を代替する二重特異性(バイスペシフィック)抗体である。出血頻度についても、切り替え後の出血頻度は、切り替え前と比べ有意に減少した。

 2018年中に承認の取得が期待されるその他のパイプラインには、2017年2月に国内申請した非小細胞肺がんの2次治療を適応とする抗PD-L1抗体のアテゾリズマブ、2017年8月に国内申請されたCD20陽性のB細胞性濾胞性リンパ腫を適応とするオビヌツズマブ、2017年10月に国内申請されたHER2陽性の乳がんにおける補助化学療法を追加適応とする「パージェタ」(ペルツズマブ)がある。

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