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第12回 セルフリーDNA(cfDNA、Cell Free DNA)

2021/12/6 更新

 こんにちは。もも太です。
第1回目のコラム、リキッドバイオプシ―でも触れたのですが、血漿中に存在するセルフリーDNA (cfDNA) の測定・解析サービスの登場が、測定技術の向上と共に、現実味を帯びてきました。

 cfDNAの多くは、血球系細胞の死滅に由来するDNAといわれていますので、健常人にも存在します。一方、がんの発生により、がん細胞が免疫によって破壊されたり、自ら細胞死(アポトーシス)をおこしたり、血中に漏れ出した循環腫瘍細胞(CTC)が何らかの影響によって血中で破壊されたりすると、がん細胞のゲノムDNAが血中に漏出することになります。このDNAはcfDNAと区別するために、特別にctDNA (circulating tumor DNA)と呼ばれます。
 がん患者の血漿から得たこれらのcfDNAやctDNAを測定することによって、腫瘍由来のゲノムDNAを解析し、原発がんや転移がんの比較などへ応用しようという動きが活発です。一方で、がんの変異を見出すことで治療薬に対する耐性の獲得が知られるようになり、またさらに、治療の経過に伴う変異の増減から新たな治療薬に対する効果の有無を判定するなど、臨床に直結する変異検出の応用事例がどんどん蓄積されています。こういった動きを見ていると、これから数年以内に、cfDNAやctDNAの測定は、がん治療に大きな変革をもたらすことになりそうです。

 当社においても、cfDNA測定に基づく、「がん」の分子解析・治療に関わる分野のサービスを進めてまいります。その手法はデジタルPCRと呼ばれる方法を用いた解析で、技術の進歩は、分析の高感度化・高精度化を実現しています。当社では最近増えてきたニーズに応えるため、現在保有する機器よりも高感度な装置を導入しました。従来のPCR法をさらに改良したこの装置は、サンプル中のDNAを10,000個以上の微小区画に振り分けた後、その各微小区画内でPCR反応を行って蛍光発色を検出します。このとき、発色があればその区画でPCR反応が陽性であることを示し、発色がなければ陰性、つまり「1」もしくは「0」を決定できることから、デジタルPCRと名づけられています。今後この装置の長所を最大限に生かした受託サービスを構築していきたいと思います。

 また、がん分野以外での利用法として、妊婦を対象とした出産前DNA検査も知られています。母体のcfDNAから胎児の遺伝子を解析し、21トリソミー(ダウン症)や18トリソミー(エドワーズ症候群)などの診断ができるという症例が権威ある一流の科学誌から報告されており、その陽性的中率は有意に高いとされています。日本では倫理上や社会通念上の問題から、この種の検査を積極的に行う事は認められておらず、現在一般には行われていません。

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