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非侵襲検査|これって何?バイオコラム 第14回

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こんにちは。もも太です。
当社では、2016/7/4より、がんの新しいバイオマーカーである、尿中ジアセチルスペルミンの濃度測定の受託サービスを開始いたしました。簡単に採取できる「尿」で行う検査は、体に痛みという負担を与えない検査であり、「非侵襲検査」といいます。今回はこの話題についてとりあげます。

 

健康や臨床にかかわる検査には色々な種類がありますが、時にはかなり特殊な検査をすることもあります。そんな時には病気の原因を早く知って不安を解消したいと思う反面、できるだけ体に負担がかかる検査は避けたいと誰しも思うところです。非侵襲検査の代表的な例は、尿検査をはじめ、心電図検査、超音波検査、レントゲン検査などがあり、またMRIやCTも含まれます。非侵襲検査の大きな利点としては、体にダメージがないことから、受診しやすいということがあげられます。検査を行う際には、まず非侵襲的な検査を行い、そこで異常がみつかった、もしくは異常が疑われる場合に、さらに精密検査を行う、という流れが一般的です。この考え方は、「スクリーニング検査」といって、今では検診で多用されています。できるだけ簡便な検査で病気の危険性を振り分けたうえで、疾患や異常の疑いがあるものを迅速に見つけ出すために行うものです。結果的に無駄を省くことができ、患者さんの経済負担も軽減できます。

 

よく行われる血液検査はスクリーニング検査として利用されますが、侵襲検査です。まだ我慢できる程度の注射針の痛みなので、低侵襲検査と呼ばれます。腫瘍などの患部に直接針を刺す生検(バイオプシー)は、病変部位の組織を採取するための侵襲検査ですが、体に傷をつけなければならない反面、病変部位を直接的かつ詳細に観察できる生体組織診断として有用です。しかし侵襲検査は、実際にどういう行為がなされるのか不安なので、具体的な説明を聞いてからでないとなかなか受診に踏み切れないこともあります。このように、病院で検査をするといっても、体へのダメージや痛みを伴うものから、排泄物のみを用いてできるものまで様々な種類がありますので、検査をよく知って、必要な検査はできる限り早く受けることが病気の早期発見への近道です。

 

健康の増進や維持に役立ちそうなテレビ番組は人気があります。安易に検査に頼らず、自己管理で健康を意識することも可能で、例えば、尿の色だけでも健康状態のアラートを知ることができます。赤い尿や白濁した尿が出たら、血尿や蛋白尿のおそれがあるため、腎臓や膀胱周辺の病気や感染症を疑って受診しようと考えることができます。また、簡単な尿検査は、インターネットや薬局で試験紙を購入して自己検査することも可能です。この検査は、色の変化や沈殿の原因が何であるのか客観的に調べるもので、血液が混入している場合の検出、糖やタンパク質のおおよその含有量を知ることなどが可能です(ちなみに、白い便器が多いのは、このようなチェックが容易になるのが理由の1つです)。

 

最近では、ウエアラブル端末という言葉をよく耳にします。文字どおり、身に着けるコンピュータであり、スマートフォンやアプリと連動して、身体の動きや体温、血圧、心拍数などの身体状態をリアルタイムに記録していきます。インターネットの出現によって始まった技術革新はとどまるところを知らず、GPS通信や先端のセンシング技術を巻き込んで、あらゆるものからデータを収集し、あらゆるものに役立てようとする世の中となりました。普段から何気なく代謝・排泄されている尿、汗、唾液、涙などから体臭、表情、動作まで、いままで思いもよらなかったようなモノをデータ化して健康への注意や予防行動へ導かれる世界が近未来に迫っているようです。

 

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