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オミックス(Omics)|これって何?バイオコラム 第17回

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こんにちは。もも太です。

オミックス(Omics)は、オーミクスと呼ばれることもありますが、その語源を調べると、「ギリシャ語の「すべて・完全」などを意味する接尾辞(ome)に「学問」を意味する接尾辞(ics)を合成した言葉」とあります。

 

医療分野では、「研究対象+omics」という名称は、その生物学の研究分野を扱う学問を意味する呼称として使用されており、これは、最初に遺伝子(gene)の研究分野において、ゲノミクス(遺伝子を扱う学問:genomics=gene+omics)という言葉が提唱された事に始まります。その後これに倣うように、トランスクリプトミクス(トランスクリプトーム(全mRNA)を扱う学問:transcriptomics=transcript+omics)、 プロテオミクス (タンパク質を扱う学問:proteomics=protein+omics)、メタボロミクス (代謝物質を扱う学問:metabolomics=metabolite+omics) など様々なオミックスが提唱され、盛んに使用されるようになりました。それぞれ、遺伝子の発現(トランスクリプトーム)、タンパク質の解析(プロテオーム)、代謝物質の解析(メタボローム)等、異なる分野の網羅的な測定や解析における研究から得られる知見をそれぞれの学問として総合的に体系化し、医療などに役立てようとしています。さらに分析手法の技術革新が進み、個人一人ひとりがどのような遺伝子を有しているか、その発現に強弱があるか、変異はないか、また、どのようなタンパク質が発現していて、どのようなシグナルが働いているかなどのオミックス(Omics)情報が得られるようになってきており、これらの情報は近い将来、がんの早期診断、効果的な薬剤の選択、術後の再発予測など、患者一人ひとりに対して行う「個別化医療」の実現に活用されるようになると予想されます。 これは、言い換えれば「オミックス医療」の可能性を示しており、日本ではすでに学会も立ち上げられています( http://omics.jp/ )。

 

一方で、IT(Information Technology)技術の進歩が、網羅的な分析・解析から得られる膨大なオミックス情報を、個々の病気の発症との関連性や予後の予測などに結びつけることを可能とし、オミックス情報を活用するブレークスルーとなったことは間違いありません。さらに将来を考えると、ネットワークを含めたIoT(Internet of Things)の活用が進むことが予想されます。具体的には、スマホデバイスなどの個人端末の急速な普及拡大がもたらす効果として、従来得られた個人の検査結果を端末で確認できるようになり、その情報を用いて医療機関や医師との連携が進むことで、健康状態をより正確に把握することが可能となり、疾病の発症や予後の予測に役立つことが大いに期待されるのです。

 

このような世界が現実になろうとしている中、製薬企業や診断薬企業もこの流れに同調せざるを得なくなっています。今までよりも個々の患者の実態を知ることが求められ、個人のオミックス情報の利用が将来の事業の鍵になることは間違いありません。すでにサービスとして世間に登場していますが、病気のなりやすさ等を判定する遺伝子DTC(Direct-to-Consumer)検査やウェアラブルデバイスの発展は、自らヘルスケアに関わる情報を積極的に求め、健康を維持・管理し、疾病の発症予防にも努めたいという、消費者個人の潜在的な意思のあらわれでもあります。このような時代の到来を感じながら、当社は、各種のサービスを通じて診断に役立つ情報を提供してまいります。

 

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