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Array アレイ あれい|これって何?バイオコラム 第8回

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こんにちは。もも太です。当社では新しい受託サービスとして、「抗体アレイによるタンパク質発現量同時測定受託サービス」をスタートしました。この「アレイ」っていう意味をご存知でしょうか?

 

第8回目は「アレイって何?」です。

 アレイのスペルは「Array」と表記し、【他動詞】~を配置する、整列させる、配列する、【名詞】配列、配置、整列、隊列等の意味があります。つまり、この「抗体アレイ」とは「抗体を配置させたもの」を表し、具体的には「ニトロセルロース」という膜上に多数の抗体をドット状に塗布し配置したものです。特定のタンパク質にのみ反応する抗体(この原理を抗原抗体反応といいます)を複数種類配し、検体中のそれぞれのタンパク質の量を測定するもので、最終的には免疫染色における色の濃淡によって肉眼で観察することができ、また、その濃淡は客観的に数値化することもできます。

この抗体アレイによるタンパク質発現量同時測定受託サービスは、例えば、「ある細胞を薬剤などで処理する前後において、培養液中にどのような種類のサイトカインが変化して分泌されているのか?」など、目的としたい多数の発現タンパク質量の変化を同時に解析できる、いわゆるハイスループットな特徴を有する受託サービスです。

既に当社の受託サービスのラインナップで人気のある「DNAマイクロアレイ」(受託サービス名:Affymetrix GeneChip®解析)も、同じくハイスループットな解析技術です。これはDNAの配列に対して遺伝子の特徴を示す塩基配列と相補的に反応する塩基配列プローブ(補促子/探針)を、より細かく、スライドグラス大のチップ上にたくさん配置させて貼り付けたものです。「遺伝子チップ/DNAチップ/Gene Chip®」などとも呼ばれます。遺伝子DNAはタンパク質を発現させる設計図であり、そのコピーであるmRNAがタンパク質をつくります。したがって、このmRNAが細胞中にどのくらいあるかを調べることで、どのタンパク質がどのくらい発現するのか見当をつけることができます。基板上に塩基配列プローブを高密度に固定する技術にナノテクノロジーが利用されています。実にその数、最大730万種類を上回る特徴的なプローブを搭載する事を可能としています。 
最初にご紹介した「抗体アレイ」は、実際にどのタンパク質がどの程度発現しているのか直接的に解析できる技術であるのに対し、「DNAマイクロアレイ」は、特定タンパク質の発現量を、発現前に遺伝子レベルで予測できる解析技術といえます。

さまざまな研究現場において、「特定の組織や細胞そのもの、あるいは何かしらの処理を施した前後で、どのようなタンパク質がどのくらい変化しているのかを比較したい」というご要望はみなさまの周りでもよくあることだと思います。しかしながら、組織・細胞中のタンパク質をすべて捕捉して調べる事は、大変困難な仕事量となり現実的ではありません。ここでご紹介した、一度に多数の解析が可能となる「抗体アレイ」や「DNAマイクロアレイ」などのハイスループットな解析技術は、解析に要する時間を大幅に短縮し、また低コスト化をも実現していることから、多くのタンパク質の変動を予測したり、比較したりする際に、非常に有力な解析方法となっています。

 

サービスの詳細はこちらからご確認ください。

 

 

なお、本件に関するお問い合わせは、お問い合わせフォームよりお願いいたします。