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第30回 臨床検査室の認定制度

 

 臨床検査における規制要件、すなわち法令による品質管理基準は、当社のような衛生検査所においては「臨床検査技師等に関する法律」および「衛生検査所指導要領」に定められており、衛生検査所はこれらに基づき体制を整備し、都道府県の立入検査および登録を受けた後に開設できます。

 その他、任意取得可能な認定制度としてISO15189とCAP認定(米国病理学会 検査室認定プログラム;CAP-LAP)挙げられます。これらは国際的な品質規格でそれぞれ世界各国において導入されています。ISO15189は品質マネジメントシステム(QMS)の代表的な規格であるISO9001をベースとしており、臨床検査固有の技術的な規定が盛り込まれているものです。CAP認定についてはこれからご説明します。

 臨床検査における製品はあくまでデータであり、形に残りづらいものです。 当社では検査品質の維持・向上を最重要課題と位置づけ、世界基準の検査室を目指すべく2009年にCAP認定を取得しました。これまで4回の更新査察を経て現在に至っています。

 CAP認定とは:

 CAP(College of American Pathologists)は外部精度管理(外部サーベイ)等の臨床検査室における品質管理ツールの提供を目的に1964年に設立されました。1967年には米国の臨床検査室における規制法であるCLIA(Clinical Laboratory Improvement Amendments)が制定されましたが、CAPはこのCLIA'67の下に基本的なサーベイ認定プログラムを開始しました。

 現在に至っては米国連邦政府保健福祉省を母体とするCMS(Centers for Medicare & Medicaid Services)からCLIA'88(前述の臨床検査室における規制法が1988年に改正されたもの)に基づく代理査察機関として指定され臨床検査室認定プログラムを提供しています。また、CAPは米国の臨床検査室基準を海外に展開しており、日本を初め世界45カ国、約7600の検査室がCAP認定を取得しています。

 認定プログラムの要求事項はチェックリストと呼ばれ、基本的なQMS等の共通項目2種類と血液学や病理学等の検査分野別19種類の計21種類からなり、それぞれに70~286項目、総計3000個以上のチェック項目が存在します。

 当社における検査分野別の対象はAnatomic Pathology、Cytopathology、Microbiology、およびMolecular pathologyの4種類となりますが、600個以上のチェック項目の要求事項を満たす必要があります。なお、認定を継続するためには2年に1回、米国CAP本部で編成された査察チームによる査察を受け、パスしなければなりません。

 CAPサーベイとは:

 また、CAPサーベイはPT(Proficiency testing)と呼ばれており、世界最大規模の外部精度管理調査で、世界67カ国21,500か所以上の検査室が参加しています。対応する検査項目は非常に多く2000項目を超えます。これはCAPの特徴とも言えるもので、検査技術の進歩に素早く対応しており、NGS(次世代シーケンサ)などの最先端の検査のPTも提供しています。

 もちろん、CAP認定を取得するには必要なPT(技能試験)を受ける必要があります。当社においては病理、細胞診、分子病理学的検査等8種類のPTを受けていますが、このPTを実施し、チェックリストを遵守することでCAP認定が継続できることとなります。

 このように、高品質かつ高水準な検査を医療機関の皆さまにご提供するため、臨床検査室として日々研鑽していることをご紹介させていただきました。

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