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第40回 ~真夏のマスク対策~ 遮断性と通気性 どっちを選ぶべき?

2020/07/21 掲載

 日本気象協会によりますと、日本における今年の夏(7~9月)は気温が全国的に平年並みか平年より高いところが多く、8月は40℃を超える場所があるなど、猛暑になると予想されています。
https://tenki.jp/forecaster/y_nakagawa/2020/06/24/8737.html

 気温が高くなると熱中症が原因で病院に搬送されるケースが多くなりますが、今年は新型コロナウイルスの影響で、炎天下の中でもマスクを着用して外出する機会が多くなることが想定されます。このため、2020年の夏は例年以上に熱中症対策が必要になると日本気象協会からも注意喚起がなされています。
https://www.jwa.or.jp/news/2020/06/10095/

200721_01.jpg 国内でも使い捨てマスクの流通が戻り始め、比較的入手しやすい状況に変わってきています。しかし、マスク着用にともなう熱中症のリスクを避けるためにも、今回のコラムでは夏場に着用するマスクについて考えたいと思います。

 2020年6月5日、世界保健機関(WHO)は新型コロナウイルスをめぐるマスク着用の指針を変更し、自覚症状のない人も含め他人に感染させないための手段としてマスク着用を推奨しています。すなわち、咳やくしゃみで放出される飛沫にウイルスが含まれるため、飛沫を周囲に拡散させないようにする手段としてマスクが推奨されています。

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 マスクは、フィルターの目の細かさによってカットできる粒子の大きさが異なります。ウイルス単体の大きさであればマスクを通過してしまうと考えられますが、新型コロナウイルスは飛沫に含まれるため、PM2.5がカットできるマスクであればウイルスを含む飛沫をカットできる可能性が高まります。逆に、花粉カット専用のマスクでは飛沫をカット出来ないことになり、商品説明をよく確認したうえで購入する必要があります。

 マスクにも様々な種類があり、医療現場で飛沫感染防止として使用されている非常に目の細かいN95マスクや、工事現場等で使用する防塵マスクなどもありますが、高価である上、高い遮断性のため息苦しくなり体温上昇を招きます。その結果、熱中症を招く恐れが高くなりますので、日常生活を送る上では一般的な小売店で入手できる家庭用マスクの着用が良いとされています。

 では、一般的に入手できる家庭用マスクはどのようなタイプがあるのでしょうか。よく見かけるマスクと、そのメリット・デメリットを簡単にまとめました。

マスクの種類 概要 目の細かさ メリット デメリット

不織布マスク
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繊維を織らずに結合させシート状にしたもの。フィルターがある。

とても細かい
(フィルターによる)

・高い遮断性
・使い捨てのため衛生的

・息苦しさを感じる
・使い捨てのためコストがかかる

ガーゼマスク
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1枚のガーゼを何重にも折り重ねている。 細かい

・再利用が可能
・ある程度の遮断性がある
・保温性、保湿性があり喉のケアに良い

・若干の息苦しさを感じる
・極小さい粒子のカット効果は低い
・顔に密着しづらい

布マスク
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綿を中心としたさまざまな素材がある。 ガーゼマスクと同等
(生地やフィルターによる)

・再利用が可能
・ある程度の遮断性がある
・ハンドメイドが出来る

・若干の息苦しさを感じる
・ごく小さい粒子のカット効果は低い
・顔に密着しづらい

ウレタンマスク
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ポリウレタン製で着け心地やフィット感が良い 粗い

・通気性が高い
・着け心地が良い
・フィット感が高い
・再利用が可能

・遮断性が低い

 素材やフィルターの有無等で異なる場合がありますが、大きく分けると上記の4種類に分けられます。ガーゼマスクと布マスクの素材は、どちらも木綿から作られるため、ほぼ同等の評価と考えられます。これらの情報からマスクの通気性と遮断性をまとめると、次の図のようになります。

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 遮断性は不織布マスクが高く、通勤時のバスや列車内など密になる場所では不織布マスクの使用が適しています。

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 通気性についてはウレタンマスクが高く、ソーシャルディスタンスを保つことが可能な場所や、気温が高い時、軽い運動をともなう場合の使用が適しています。

 マスクをしていると顔付近を中心に温度が高くなるにもかかわらず、喉の渇きに気付きづらいと言われており、熱中症を誘発する危険性が高くなります。したがって、意識してこまめな水分補給をすることが必要です。

 以上のことから、

  • 外気温が高い場所や、軽い運動をともなう場合

  →通気性の良いマスクを着用

  • 人混みや患者の近く

  →遮断性の高いマスクを着用

することが最良の方法と言えます。ケースバイケースで適切なマスクを着用し、こまめに水分補給することで、ウイルスと熱中症に負けないよう心掛けましょう。

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