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技術情報

血中循環腫瘍細胞(CTC)解析

セルサーチシステムを用いたCTC研究に関する文献紹介

2016/02/25 更新

■CTCの臨床試験に関するサイト

CellSearch®システムを用いた文献については、以下のページをご覧ください。
https://www.cellsearchctc.com/clinical-applications/clinical-applications-overview

 

■NSCLCにおける治療効果予測としてのCTCの活用

Innovative method using circulating tumor cells for prediction of the effects of induction therapy on locally advanced non-small cell lung cancer.

Shintaro Tarumi, Masashi Gotoh, Yoshitaka Kasai, Natsumi Matsuura, Masaya Okuda, Tetsuhiko Go, Shinya Ishikawa and Hiroyasu Yokomise.
Journal of Cardiothoracic Surgery 2013, 8:175

PMID 23856305

 肺がん患者におけるCTC(circulating tumor cell)の存在が報告されています。この研究の目的は、CTCが非小細胞肺がん(NSCLC)患者の導入補助化学療法に対して病理学的側面で効果を予測できるかどうかを評価することです。

 末梢血と手術によって肺葉患部から肺静脈血サンプルを採取し、外科的切除後に導入補助化学療法を受けた患者と、外科的切除のみを施された患者とのCTC数を比較しました。CTCはCellSearchシステムを用いて計測しました。

 導入療法を受けた9名の患者のうち、4名は病理学的CR*を、4名はmajor response**を、1名はminor response***を 示しました。これら全ての患者の末梢血ではCTCは陰性でした。このうち、病理学的CRを示した4名の患者では肺静脈血におけるCTC(pvCTC)は陰 性で、major/minor responseを示した5名の患者ではpvCTCは陽性でした(平均57.8 cells:計測数4~108cells)。major/minor responseを示した患者のCTC数は病理学的CRを示した患者よりも有意に高かった(p=0.012)。外科的切除のみを受けた患者6名の全てではpvCTCは陽性で(平均207.5cell:計測数4~855cells)導入療法を経た患者と有意差が認められました(p=0.038)。

 肺静脈血にCTCが検出される場合は、病理学的CRではないことを反映し、pvCTC計測によって、病理学的側面での治療効果を予測できると考えられます。

*病理学的CR:この文献では、切除標本にviable tumor cellsが存在しないことをいう
**major response:この文献では、切除標本の3分の1以下でviable tumor cellsがあることをいう
***minor response:この文献では、切除標本の3分の1以上でviable tumor cellsが残っていることをいう

(文献の解釈につきましては、弊社は一切の責任を負いません)

2011/3/3 掲載

■転移性大腸がんの特定の患者群において、治療前のCTC数は予後予測因子となる

Prognostic significance of circulating tumor cells in patients with metastatic colorectal cancer.

Cohen SJ, Punt CJ,  Iannotti N, Saidman BH, Sabbath KD, Gabrail NY, Picus J, Morse MA, Mitchell E, Miller MC, Doyle GV, Tissing H, Terstappen LW, Meropol NJ.
Annals of Oncology. 2009;20 (7):1223-1229

PMID 19282466

  転移性大腸がん患者430人について、セルサーチシステムを用いて治療前の血液中のCTCを測定しました。その結果、治療前にCTC数が3個以上検出された場合、3個未満の患者群と比較すると、PFSおよびOSが有意に不良となりました。さらに、治療法や患者特性により患者をグループに分けたところ、CTC数が3個以上検出されるとPFSが有意に不良となるグループと、有意差が生じないグループがあることが示されました。有意差が生じたグループは、ファーストラインまたはセカンドライン治療群、イリノテカン治療群、肝障害を持つ患者群、65歳以上の患者群、ECOG PSがグレード0の患者群でした。転移性大腸がんにおいて、特定の患者群では治療前のCTC数が重要な予後因子となることが示されました。

■手術前後でCTC数が変動する
■術式により、術後のCTC数の変動パターンが異なる
■CTCは門脈体循環に偏在する

Unique Localization of Circulating Tumor Cells in Patients with Hepatic Metastases.

Jiao LR, Apostolopoulos C, Jacob J, Szydlo R, Johnson N, Tsim N, Habib NA, Coombes RC, Stebbing J.
J Clin Oncol. 2009;27(36):6160-6165

PMID 19884529
 
 本論文では、外科的処置直後やその手法の違いによるCTC検出数の比較や、血管部位の違いによるCTCの偏在について調べました。大腸癌肝転移症例群において、開腹手術、腹腔鏡下手術、開腹ラジオ波焼灼術あるいは経皮的ラジオ波焼灼術の各手術前後のCTC数を測定しました。その結果、肝門脈体循環における血管では、末梢血よりも非常に多くのCTCが検出されました。また、開腹および腹腔鏡下手術では、術後に複数の血管部位でCTC数が減少したのに対して、開腹または経皮的ラジオ波焼灼術では、増加する結果となりました。これらの結果から、外科的処置方法の違いにより手術前後のCTC数の変化に違いが生じること、また、CTCは肝(または肺)門脈体循環に偏在することが示唆されました。さらに、これらの結果は、肝臓や肺に比べて他の部位への転移がなぜほとんど見られないのかを説明する理由となるかもしれません。

(各文献の解釈につきましては、弊社は一切の責任を負いません)
 

2010/4/7 掲載 

■国内におけるCTC研究 1 

Multi-center study evaluating circulating tumor cells as a surrogate for response to treatment and overall survival in metastatic breast cancer.

Nakamura S, Yagata H, Ohno S, Yamaguchi H, Iwata H, Tsunoda N, Ito Y, Tokudome N, Toi M, Kuroi K, Suzuki E.
Breast Cancer. 2010;17(3):199-204.

PMID 19649686

 下記本論文は、日本における乳癌のCTCに関する多施設研究の報告です。セルサーチシステムを用いて107名の転移性乳がん患者の治療前および治療3-4週間後、治療12週間後の各血液からCTC数を測定しました。治療前後でのCTC数の変化は、画像診断の結果と一致しました。また、CTC数3個以上の場合に統計的有意性が見られ、5個以上の場合はハザード比が3.069となりました。CTCは画像診断よりも早く治療効果を予測できるバイオマーカーとなる可能性が示唆されました。

■国内におけるCTC研究 2

Evaluation of circulating tumor cells in patients with breast cancer: multi-institutional clinical trial in Japan.

Hiroshi Yagata, Seigo Nakamura, Masakazu Toi, Hiroko Bando, Shinji Ohno, Akemi Kataoka.
International Journal of Clinical Oncology. 2008;13(3):252-256

PMID 18553236

 セルサーチシステムを用いて57名の健常者、および30名の原発性乳がん患者、19名の転移性乳がん患者の各血液からCTC数を測定しました。CTC数2個をカットオフ値と設定すると、CTC数2個以上確認された症例は、健常者においては0%、原発性乳がん患者においては3.3%、転移性乳がん患者においては50%でした。さらに、転移性乳がん患者において測定されたCTC数5個をカットオフ値とすると、11症例でCTC数が5個以上確認され、5個未満の27症例と比較すると、PFSおよびOSが優位に悪い結果となりました。他の臨床試験においても同様の結果が報告されていることから、乳がんにおいてCTC数を測定することは、転移および予後の正確な指標となる可能性が示唆されました。

■国内におけるCTC研究 3 

Circulating tumor cells in pulmonary venous blood of primary lung cancer patients.

Okumura Y, Tanaka F, Yoneda K, Hashimoto M, Takuwa T, Kondo N, Hasegawa S.
Ann Thorac Surg. 2009;87(6):1669-1675.

PMID 19463575

 下記の本研究では、肺がんにおけるCTCの有用性について調べるために、初期の肺がん患者30人から採取した末梢血および肺静脈血のCTCをセルサーチシステムを用いて測定しました。その結果、末梢血では16.7%の患者からCTCが検出され、その平均は血液7.5mLあたり4.6個でした。一方、肺静脈血におけるCTCを測定したところ、96.7%の患者から血液7.5mLあたり平均1195個と末梢血の場合よりも高い感度で検出することができました。本研究により、肺静脈血の方が末梢血よりもCTC陽性率が高いことが示唆されました。今後、肺静脈血におけるCTCと予後の関連性などを明らかにするために、長期的にフォローしていくことが必要だと考えられます。

■国内におけるCTC研究 4 

Circulating tumor cells as a surrogate marker for determining response to chemotherapy in patients with advanced gastric cancer.

Matsusaka S, Chin K, Ogura M, Suenaga M, Shinozaki E, Mishima Y, Terui Y, Mizunuma N and Hatake K.
Cancer Science. 2010;101(4):1067-1071

PMID 20219073

 進行性胃がん患者について、S-1 basedまたはパクリタキセル治療前後の血液からCTCを測定した結果、治療後のCTC数が4個以上の場合、PFSおよびOSが有意に悪い結果となりました。CTC数は進行性胃がんにおけるS-1 baseまたはパクリタキセル治療レジメンの反応性を決定するマーカーと利用できる可能性が示唆されました。

■国内におけるCTC研究 5

Clinical significance of circulating tumor cells in blood from patients with gastrointestinal cancers.

Hiraiwa K, Takeuchi H, Hasegawa H, Saikawa Y, Suda K, Ando T, Kumagai K, Irino T, Yoshikawa T, Matsuda S, Kitajima M, Kitagawa Y.
Annals of Surgical Oncology. 2008;15 (11):3092_3100

PMID 18766405

 転移性胃がん患者の血液中のCTC数を測定した結果、非転移性がん患者よりも有意に多く検出されました。また、CTC数が2個以上検出された症例では、OSが有意に悪い結果となり、さらに、治療前後のCTC数の変化は、PDと相関がある傾向が見られました。今回の結果から、消化器がん患者の血中CTCを測定することは、ステージの判定や、腹膜播種および胸膜播種の存在の予測や予後の予測、治療効果の観察に有用な手段となる可能性が示唆されました。

(各文献の解釈につきましては、弊社は一切の責任を負いません)

 ●その他CellSearchRシステムを用いたCTC研究関連文献情報は、CTC情報サイトをご覧ください(外部ページへ移動します)。

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